ビッグ・アイランド「ハワイ島」プロジェクト インタビュー 2017.7.28 | PROJECT

写真右)ヘッド オブ アカウントプランニングDiv.:小泉 勇城 
写真左)アカウントエグゼクティブ 兼 コンサルティングプロデューサー:島津 卓史
写真中)コンサルティングマネージャー:中嶋 敦尚

northshoreの特徴的なプロジェクトへの取り組み方として“千変万化な対応力”があります。
対峙するクライアントが「何を」求めているのか。それをいち早くブレることなく汲み取り、ニーズに最適に応えること。
それは時にチーム体制であったり、エグゼキューションであったり。 書いてしまえばごくごく当たり前のことのようですが、それらを速やかに的確に提示することができた時、相手から「お墨付き」をもらえるのだと思います。
そしてまたその先の新しい可能性へつなげていけるワクワクの種を生むことにもなります。

今日はあるふとしたきっかけから生まれ、次のステップへと繋がったプロジェクトの一つ「ハワイアンエアラインの羽田-ハワイ島直行便就航のキャンペーンに関するプロジェクト」をご紹介します。

きっかけはプライベートの再会の場から

Head of Account Planning Div. / Creative Strategist 小泉(以下、小泉) :そもそもnorthshoreっていう社名があって、外から見たらハワイ感丸出しなのに、実際はハワイの仕事をしてないという(笑)。で、ハワイ州政府の観光局でバリバリ働いている友人と東京で再会した際に何か手伝いできることがあれば、と声をかけたのがきっかけでした。ちょうどハワイアン航空のハワイ島直行便就航のタイミングで適切なコンテンツがなかったんです。
northshoreの強みは若くて機動力のあるプロデューサーが多く在籍していること。
そこでそのうちの一人、島津君に声をかけました。 気が付いたら日本に出張中の友人と速攻でミーティングしてました。

奇しくもnorthshoreにとって初めてのハワイの仕事は社名であるノースショアがあるオアフ島ではなく、ハワイ島であった。(観光局が所有している膨大なアーカイブの中からプロジェクトの目的に適合したフッテージを探し出し、新たなストーリーに再構築したWebムービーを制作)。ふとしたきっかけからスタートしたプロジェクトだが、そのスケジュールは非常にタイトであった。 キックオフから二週間後にはエアラインが就航してしまう。その前に納品するというのが条件だったのだ。

AE 兼 Pro. 島津(以下、島津):このお仕事では、主にワイキキやホノルルのイメージをメインとした、「THEハワイ」ということではなく、ハワイ島独自の魅力ってなんだろう、というところから企画がスタートしました。クライアントのご意見や、企画構成の方、ディレクターの協力があって具現化できた仕事です。
個人的には納品までスケジュールもなかったので、クライアントの意図を各所に簡潔に伝えること、進行の効率化、レスポンスの速さ、の3点を意識し、クライアントとのコミュニケーションを密に、先手先手で進めることを心がけました。

クオリティとスピード感を意識しながら、クライアントの多大なる協力を得ながら効率よく完成した映像がこちら。

https://www.youtube.com/watch?v=qmeq_rvYkTs

コンテンツに対してクライアントからも好評を得た。また、そのビュー数をトラッキングするとハワイ好きな多くのターゲット層からも支持を得られたことが分かった。その結果、新たに「隣島のブランディング」という課題をいただくことになる。

求められたのは“ハワイ島”ならではの個性や魅力の見せ方

ハワイ州には、ホノルルやワイキキのあるオアフ島以外にも、ハワイ島・マウイ島・カウアイ島・ラナイ島・モロカイ島と多様な特色を持つ島々がある。
そして2017年は、数あるプロモーションの中から、northshoreはハワイ島プロモーションに関する制作を担うことになる。


小泉:ハワイと聞くと殆どの人々は「=オアフ島」と連想してしまうのではないかと思うんですね。実際、マスメディアは分かりやすいコンテキストに流れがちですし、またそういうハワイを期待している人も多いですからね。ワイキキビーチにダイヤモンドヘッド、快適にできるショッピングにパンケーキ…。僕自身もそういうハワイが大好きです。でも、今回クライアントが求めているのはそういうことではなかった。
オアフ島に準じるサブメンバーとしての「ハワイ島」ではなく、その個性やハワイ島しか持ち得ないストーリーをしっかりと伝えて新たな魅力の発見となり得るようなプロモーションにしたい、という明確な目的をクライアントと共有してスタートしました。

島津:実際話を聞いてみて、クライアントの課題はシンプルに2つでした。
1つ目は、ハワイ島に日本人ビジターを増やすこと。2つ目はその魅力の体験価値の向上でした。さっき小泉さんも言っていた通り、「THEハワイ」のパブリックイメージは、すでに日本人には浸透しているし、ハワイ島をテーマにした初回ハワイアンエアラインの映像は作らせていただいたので、次は「もう一歩踏み込んだハワイ島」をテーマにしようということになりました。その結果「体験や経験」を切り口にした企画を軸にしようとメンバーで考えて現地へ臨みました。


その際、改めて「ハワイ島」という島の“個性”についても詳しい話を聞く。クライアントとのスカイプも含めたミーティングを重ねる中で、クライアントから撮影前に実際に「ハワイ島を体験する機会(シナリオハンティング)」というこの上ないオファーをいただく。


小泉:実際にハワイ島へ行ってみると、景色や空気や人など、すべてにおいて想像以上に本当に素晴らしくて。シナリオハンティングに同行した全員が圧倒されました。

Consulting Manager 中嶋(以下、中嶋):シナリオハンティングのときはメンバー一同、目的地はもちろんのこと、その道中の景色ですでに、「もう、ええやん!」(もうすでに良い。という意)の連発でしたよ。


その後の企画・準備・撮影から編集へ 現地で実際に体験したからこそのスタッフの思い

その後の企画・準備・撮影から編集へ 現地で実際に体験したからこそのスタッフの思い

島津:シナリオハンティングから戻り、「ハワイ島という商品」をいかに切り取るかという基準で、改めて企画構成の方と打ち合わせを重ねました。コンセプトとするもう一歩踏み込んだハワイ島を見せるべく、体験や経験をソリッドにしていった結果、「体験や経験から切り取った一瞬の調和」というところに行き着き、クライアントの承認を得ました。


あとありがたかった反面ストレッチもかかったこととしては、クライアント・企画構成・演出・撮影など様々な立場の方から、「ここを入れたい」「ここはこう見せるべきだ」といった意見をたくさんいただきまして。当たり前ですが、クライアントにとっては予算をかけて効果的な映像にしたいと勝負にきていますし、僕としてはその期待に応えないとアカウントを切られてしまうリスクもあります。ディレクターやカメラマンだって完成作品が自身のキャリアになりますし。

そのバランスの中でみんなにとってのベストを探りながら進めていきました。いろいろな制限があった中で、最後まで貫いてくれたディレクター・カメラマン・出演者含めがメンバーのみなさんには本当に感謝しています!

それぞれの立場、文化の狭間に身を置き、得た経験

それぞれの立場、文化の狭間に身を置き、得た経験

島津:また現地クルーとの働き方の違いもありました。彼らはきっちり仕事をしてくれますが、事前に合意した以外の仕事は基本しません。これはプロとして当然のことだと思います。しかし、僕らはいいものにしたいからこそ、欲張ってしまう。そういう意味でのズレや葛藤が生まれてしまったんですね。
そういう時も、「海外クルーとの連携も非常に大事」だと改めて強く認識して、助監督兼通訳の方と一緒に、バランスを取りながら進めました。いうまでもなくですが、そういったシーンで、制作のナカジの助力は、僕らチームにとって大きかったと感じています!


中嶋:データ落としとか、やることが多くて、寝る時間も限られて正直きつかったというのが本音です。でもその中でスタッフのみなさんに助けてもらうことも多く、無事最後まで撮影を終えることができたことは、また一つ良い経験にもなりました!さらに、もっと工夫すべき点などにも気づけたので、次のチャンスをいただけたら、スタッフのみなさんが気持ち良くやれるようにさらに頑張ろうと思っています!
そして今回、最初にこの話を聞いた時に、僕は「ハワイ島」というものをひとつの商品ととらえたとして、そのスケールがあまりに大きくて、何を伝えたら良いんだろう…って、正直悩んでしまいました。でも、実際に行ってみて僕自身ものすごく純粋に感動したんです。島津さんが言っていた“体験や経験を切り取った瞬間”には、僕らが感動した“瞬間”もつまっていますよ!

完成したコンテンツの役割

中嶋:ハワイ島って全世界の13ある気候帯のうちの11の気候帯があるらしいんですね。それが同時に存在している島=リトルアースって呼ばれているんだ、ということを現地の方から聞いて知りました。車で乾燥地帯(砂漠)を走っていたのにカーブを曲がった途端に熱帯雨林が広がっていたり…
一生忘れられない景色です。


小泉:ハワイ島はまだ若くて生きている島。ハワイに伝わる数々の神話の発祥地であるハワイ島。「オアフ島とは全く異なる大きな魅力がある。」という大のハワイラバーであるクライアント達のハワイに対する思いや情熱。実際に僕らが体験した感動。そういった心を動かす神秘的なパワーがある島の魅力を、いかにハワイ島を未体験なツーリストに伝えることができるのか。
今回のプロジェクトではそういう課題に対して一部かもしれませんがお手伝いができたんじゃないかな、と感じています。

完成した2回目のコンテンツがこちら。

完成した2回目のコンテンツがこちら。

https://www.youtube.com/watch?v=clEn6RZxNl0

みなさんも、どこかでこの映像を見る機会があるかもしれませんね。
携わったメンバーが声を揃えて「魅了された」というハワイ島に、実際ぜひ足を運んでみてください。


<Interviewer:広報 門脇、Photographer:藤原>

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