“LET’S TALK ABOUT リモート映像制作 on zoom” 開催レポート 2020.7.7 | NEWS

変わる? これからの映像制作

変わる? これからの映像制作

コロナ禍は制作各現場にも、少なからず影響を与えている。
「撮影解禁」の声も聞こえはじめたが、囁かれる第二波到来や来年冬への懸念など、まだまだ万事解決という状況ではない。
しかし我々クリエイターは、歩みを止める訳にはいかない。なぜなら常に何かを考え・生み出したくなるのがクリエイターだから・・・。

今、現場でスタッフは何を考え、何が起こっているのか?
“Withコロナ”の時代、制作現場は今後どう変化するのか?

現場情報をシェアすることで、明日からのクリエイティブをさらに進化させるべく
6月19日、「LET’S TALK ABOUT リモート映像制作 on zoom」が開催された。
視聴者は180名超。
会場と視聴者のディスタンスはとれていても内容は非常に濃密で、3時間があっという間に過ぎた。当日の内容を紹介しよう。

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配信会場には薬師寺 多聞氏(AOI Pro.)、和泉 大介氏(THE DIRECTORS GUILD)をお招きし、各社からリモート制作の考え方やフロー、実例について紹介いただいた。

写真左上。左からファシリテーターの石井(クリショア)、薬師寺氏(AOI Pro.)、和泉氏(THE DIRECTORS GUILD)、松田健(クリショア)

リモートでの撮影、編集に各社の工夫

撮影を行うスタジオでは、各社それぞれシステムを構築し、撮影現場から離れた場所で編集者やクライアントが映像のリアルタイム確認ができるよう工夫を凝らしていた。これは地域や国を越えた制作という観点からも、今後業界で発展させていくべき分野である。
しかしここで問題となる点は、大きく3つある。
映像の乱れ、映像と音声のズレ、現場とリモート先での時間のズレ(遅延)だ。
特に現場とリモート先での遅延は、1秒以内が好ましいと考えられる。
これは一般的なライブ配信での遅延が1〜数秒程度であることに対し、かなりのスピード感を求められる。理由は簡単だ。リモート先でチェックを行うスタッフが出す「『ソコ』をもう少し〜」「『今のテイクのソレ』を〜」など、瞬時の指示を全員が共有するためだ。
使用しているクラウドや映像ソフトは様々だが(詳しい手法は各社へ問い合わせを)、現場で指示のやりとりに重宝されているのはzoomだという回答が目立った。画質・音質の現場評価が高い事と、クライアント側PCで使用許可されている点が理由だが、映像の最終確認はどのスタジオもmp4書き出しを推奨している。

リモート制作のキーは“ズーマー”の存在?

映像制作・音楽制作に関わらず、リモート制作で重要となる存在は何か?
登壇各社の意見を総合した結果、この日“ズーマー”の重要性を皆が再認識した。zoom通話を取り仕切り、うまく回すMC的存在の事だ(名付け親はクリショア松田)。
リモート会議には、あらゆる立場の人間が参加する。
家にいるとつい、思った事をそのまま発言してしまう人間も出てくるだろう。
また、通信遅延のため同時に異なる意見が出る事もしばしば起こる。国を越えてのテレカンなら、そこに言語の違いも出てくるだろう。
そうした中で、上手いMCが1人いると会議の進み具合が異なる。
感覚が重要な映像・音楽の世界だからこそ白熱しやすい制作現場で、今後“ズーマー”に期待がかかる。

各社からの情報に前のめりぎみの薬師寺氏、和泉氏

音楽制作の「密」発生場は、立会い確認時

一方、音楽スタジオにほぼ共通した認識は「音楽制作の現場は、通常からある程度のディスタンスがとれている」というものだった。
音楽スタジオではレコーディングの際、ボーカリストとエンジニアは別の部屋にいる。それ以前の作業−作曲や編曲は1名で行う事が多いからだ。
では、音楽制作の中で「密」ができやすいのはどこか? 答えは、仕上げの立会い確認時だ。
音楽は感覚的なもののため、ディレクション時の言い回しやタイミングはセンシティブだ。だからこそ、制作側はリモートではなく現場立会いを望む。
クライアント側が立会いに対し消極的にならないよう、スタジオ側ではスムーズな収録や楽しい収録を心がけ以下のような工夫がなされていた。
・録音ブースの中にカメラを設置、リモートで直接ボーカリストやナレーターに指示を出せる
・確認用イヤホンとして、プロ用ヘッドフォンをリモート先へレンタル

リモートならではの課題は、まだまだ山積み

今回のイベントではイラスト制作やCG、モーショングラフィックデザインの現場からも報告が届いた。かねてより個人作業の多い現場のため、コロナ禍を機に今後も在宅勤務を推奨しているスタジオも多く、そのための環境整備も各所で始まっている。

CG制作の現場では、自宅端末から社内の作業マシンへアクセスし、リモート作業をする中で新たな課題も見えてきた。パソコンのトラブルだ。
ある制作スタジオでは、人のいないオフィスでマシンと(冷却用に)エアコンのみを稼働させているが、パソコントラブル対応者としてオフィスに1名を配置している。スタッフからの再起動依頼は案外多いそうだ。

またイベント内では、クリエイターにとっての雑談が重要である点も話題となった。
リモート作業になると、隣のデスクには誰もいない。家族やペットは癒しを提供してくれるかもしれないが、制作のヒントをいつもくれるとは限らないだろう。
クリエイティブ業界ではデスクの隣にデザイナーの先輩がいるか・いないかの差が、最終的な出来上がりに影響する事がしばしばある。
さらに案件から話題の離れた雑談も、それがクリエイター同士なら新しい発想のきっかけにもなり得る。
あるデザイン会社では、社内に仮想空間の部屋を用意し、スタッフ同士が自由に通話できる場を作った。仮想上の距離で、実際に聞こえてくる音声にも距離が生まれるというリアルな機能も付加されているそうだ。

場所・時間を問わない自由な働き方がクリエイティブの質を上げる

今回のイベント登壇社の中には、海外拠点との連携でリモート制作を成功させている例も紹介された。我々はこれらを単にコロナ対応策としてではなく、『さらにより良いクリエイティブを目指すため、国を問わず優秀なクリエイターを集める有効な手段』として受け止めるべきだろう。

イベントの総括として、パネリストの和泉氏はこう語る。
「今後、拠点が東京でなくとも可能な職種が見えてきた。またリモートによって時間の使い方も変化し、余った時間を家族と過ごしたり趣味にあてたり得意分野を伸ばすなど、有意義に使えるようになった。その時間が、新たな創作に繋がるのではないか」。

コロナ禍で、我々は制作現場やコミュニケーションの在り方を見直す事になった。今回、本イベントを通じ各社のトライ&エラーを共有する事で、皆が前向きに現状をとらえ、今後この挑戦が花開いていく事を願う。

<登壇各社問い合わせ>
■TTR
石ヶ谷 宜昭
問い合わせ先:
編集PPC各営業まで
撮影CRANK DIT/コーデイネーターまで
HP: https://www.ttr-inc.co.jp/
Facebook:https://www.facebook.com/tyotechnicalranch

■コネクション株式会社 C STUDIO
担当:金子鉄平 tk@cstudio.work
HP:https://www.cstudio.work
Facebook:https://www.facebook.com/C-Studio-175439686715350/

■株式会社スタッド
リモートセッションについての問い合わせ先:info@stud.jp
担当:岡田
web:https://www.stud.jp/

■GZ-TOKYO
Tel: 080-4549-7244 (担当:寺田)
mail: terada@gz-tokyo.jp
HP: https://gz-tokyo.jp/
Facebook : https://www.facebook.com/GZ-TOKYO株式会社
Instagram : https://www.instagram.com/gztokyo_zaxx/

■株式会社サザビー
reel https://vimeo.com/423456617/148b5f3b93
mail info@sazabi.co.jp
担当 小島伸夫
HP http://sazabi.co.jp/
FB https://www.facebook.com/sazabi.inc

■Alt
福田真衣 @ Alt 東京 // mai.fukuda@altvfx.com
高田 健 @ Alt HQ // takeshi@alt.vfx.com
Alt.vfx: https://vimeo.com/393365426
Technology & Design Agency(T&DA): https://vimeo.com/390619112
The New Holland Creative(design): https://vimeo.com/225532147

■EDP
担当:池田 大
E. da@edp.jp
M. 090 4964 9694
https://vimeo.com/427245159
(pass : EDP2020)
www.edp.jp

■vision track
電話番号 :東京オフィス 03-6455-4588
メールアドレス :info@visiontrack.jp
担当者名 :横田・光冨
PH:www.visiontrack.jp
●Instagram  instagram.com/visiontrack
●Facebook facebook.com/visiontrack.jp/
●Twitter   https://twitter.com/visiontrack
●note    https://note.com/visiontrack

■syn
芳賀一之(ハガカズユキ)
Mail: kazuyuki@syn.world
Website: https://syn.world
Reel: https://youtu.be/A-zUju2gL1k
アルバム見本盤: Made In Japan Sampler

■株式会社オフィス樋口
HP: www.higuchi.asia
MAIL: info@higuchi.asia
担当者名: 山本""ぶち""真勇

クリショアご活用ください

クリショアではこれからもクリエイターの皆さまの新たな出逢いの場や活動の広がりを支援すべく、様々な企画を考えております。
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